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縫う 
これは簡単なようでいてとても難しいということに気がつきました

幼稚園では90センチ四方のブロードの布の四方を3ミリに三つ折りしてミシンで縫った遊び布という「おもちゃ」があります。他には114㎝四方のガーゼの周りを3ミリに三つ折りして手縫いで和裁かがりをするという「おもちゃ」があります。やさしいこどもにふさわしい色が選ばれます。何色も用意され,素材も木綿はブロードやネル、ガーゼ、またはシルク、ウールといろいろあります。
どちらのおもちゃもこどもたちは遊ぶ力を使ってあそびます。それだけで一日遊べるくらいの様々なモノに布も変化し、そして自分自身も変身出来る魔法のおもちゃです。お姫様になったり、スカートになったり、ワンピースになったり。人形のおくるみになったり、ふとんになったり。娘が二枚とひもをつかって上手にブーツにしてスケートだといって遊ぶのを見た時はとても感心しました。

それは布の周りを縫う
これだけのことなのにとてもたくさんの行程がありました
きちんとするととても良い物が出来ます。まず地直しをします。布の癖を直すのです。
たたんで水に浸して30分したら脱水機で30秒。
水の重さで布が整うように目をみて平衡になるように陰干しして
半がわきのところで取り入れてアイロンをかけて。
それから裁断。

ふちをかがるのにアイロンをかけて畳んでまちばりうってしつけをして
それから手で縫って

ミシンの時はミシンをかけたあと、すぐにまた霧吹きをしてアイロンをします
そうすると目が揃うのです

縫い物とうよりアイロンをかけている時間の方がずっと長いくらい

ふちの三つ折りは四方同じ幅に
そして縫い目も同じ幅で

難しいけれど、すべての作業はそれぞれに

注意深くあれば
だれにでもできることです

そう幼稚園の先生に言われた時ははっとしました

注意深くあること
そこに注意を向けること

気にすること

だれでもできるのです
それをするかしないかはそこに注意を向けれるかどうか

注意をむけて出来た物は美しく、こどもが手にした時もひっかかり(こころの)がありません。
そうした注意をそそぎながら作るものは美しさがでてきます

娘が幼稚園に入る前の作品はどれも自由帳にすきに絵をかくように自由に針と糸を走らせました。
幼稚園の作業はどれもこれも決められたところに定規で線を引き、その上に針と糸を置いて行くような作業ばかりでした
しかしその作業を経たあとの作品はたとえ自由長の絵であっても線に変化がありました

たいせつなことは注意深くあるということ

そうしたことを縫い物で学びました
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私が得意だと思っていた編み物が「遊びでしかなかった」と気がついたのがこの編みぐるみの羊でした。
小学校に入った時から身近に編み物をしていた私にとって得意であったと思っていた編み物でも幼稚園のバザーに提出できる作品が出来ないということは非常にがっかりしました。

並太の羊毛を一号という細い編み針でしっかり編みます。
中に詰める綿が見えないようにです。
中にはしっかりとそれはきつく、きつくスティングという目打ちの長い物に傷を付けたものを使って羊毛を巻き付けます。それを足にします。4本の太さと堅さは一定であることは重要です。
一本巻き終わるとくったりします。
とても精神力を要する作業でこれは授乳中、妊娠中のお母さんにはすすめられない作業です。
同様にすこし具合の悪いときにもできません。

本来自分の中に使うべき生命力や形成力がそがれるから
です。はじめてこうした考え方に触れられた人にはちょっとかわった感覚でしょうか?
でもとてもよくわかります。
それはたくさん経験をし、経験をみてきたからです。
実際にそうなのです。

編みぐるみですから「しっかりと立つこと」は基本です。

握ったときに違和感がないように頭にも胴体にもしっかりと羊毛をつめます。
もうこの綿を詰める作業も目に見える力も見えない中の力もたくさんいる作業です。
握ったときにふんわりとして中が固いとか固すぎるとかもやはりこども達が遊びに集中出来ないのでよくありません。

そうしてそうしてしっかり出来た物だけがバザーでならびます。
そうしたモノが出来るまで何匹も何匹も羊を作ります。

とうとう私はこの羊という作品をバザーに出すことはできませんでした。

決まった糸を買って、
もしそれが廃盤の糸だったら似た感触のものを選んで先生にこどもにそれがふさわしいかどうかを確認して
それで作品を作って確認していただいて

そうした手順をふんでしあげていきます。

このまま書くと、どう伝わるのか
どう受け取られるのか

これをどうとるか、
どうとらえるかは個人の中の力の具合と種類によるのですけれど

今はようやくわかってきました。
木は何になりますか?

木はそのままで私たちに潤いを与えてくれます
木を大きく切るとそれは柱や板にすると私たちが住むことのできる家にもなります テーブルや椅子、タンスといった家具にもなりますね
木は小さく切れば皿になり、彫るとコップやお椀になります 遊ぶことの出来る積み木や木馬にもなります
木をさらに細かく切り、加工すると紙にもなり私たちの意思を遠くの場所や違う時代にまでも伝えることもできます
余った所は燃やすことができます。使えなくなったものも燃やすことができます。それは私たちに熱と灯りを与えてくれます

そうして木はあますところなく使えます

これが木です

こんな風に幼稚園のお母さんから木工の手仕事を伝えてもらうときに話をしてもらいました。
だからこそ手仕事の基本の作業となります




積み木のこころ

木工班の基本的な仕事はこの積み磨きです。
切った枝や幹を水平にノコで切り、切り口を丁寧に磨いて行きます。

のこぎりの跡が残らないように
持ったときに角を感じないように

そうした気持ちで磨きます。

それはすべて遊ぶこどものためです。
こどもが集中してその遊びに夢中になるためには「引っかかり」がない物が必要だと思うのです。
傷が気になったり、角を感じたりするとその度にこどもは遊びを中断することになるでしょう。
そうならないためにお母さん達は公園でこどもの遊びを見守りながらひたすらに積み木を磨きました。
私が幼稚園のお母さんに教えて頂いた行程は切った面を45度に面取りをします。

それから120番の紙ヤスリで磨きます。のこぎりの跡がひとつもなくなるまで。

それから240番。これで滑らかにします。

さいごに400番で磨きます。これは光を出すため。

写真の積み木は材質が杉なので柔らかいのでしょう。あまり時間がかからずに磨けます。
もうここまで来ると目ではわかりません。いちいち指で触って確認します。
面取りのところが磨きが甘いことがあるので注意します。
どこを触っても不必要な目覚めが起きないように。

このあと蜜蝋ワックスをかけます。塗るというより刷り込みます。
中の汚れが浮き出るようにそんな気持ちで磨き上げます。

この匂いは幼稚園の匂いです。
こどもが大きくなったときにふとどこかでこの匂いを嗅いだときに記憶には残っていない一つ一つの事柄も大きな温かな覆いが確かに私をつつんでいたという覆いを感じる匂いになってくれるはずです。

そして陰干し一週間。ワックスを落ち着かせます。
そしてまたワックスをかけます。

そして一週間また寝かせます。
それからウールで磨きつやをだします。

これで完成!と言いたい所ですが
この積み木を持ったこどもが手に取ったときに思わずほっぺたに当てたくなるもの
で完成です。

最初は単なる木片だったものに温もりが感じられます。

木なので持ったときに自分の体温が伝わります。
そんな積み木を渡されると友達の体温が伝わってきます。
それが木の良さです。

こうして未来のために手を動かせるということはなんと幸せなことでしょう。
これが娘の通っていた幼稚園の積み木の通常仕様です。
これをバザーでも販売しました。
木はイチイが手に入ったらそれが一番いいです。
堅いし、木目がとても美しいです。こどもにこそ美しさが必要です。
白樺とか桜もあります。桜は樹皮がきれいです。


こどもが手に取ったときに遊びに集中出来ないなにか、
引っかかるところとかのこぎり跡とかがないようにします。

私はこれらの作業を伝える側に立ったとき、お母さん達にこんな話を加えてみました。

例えば義理のお母さんから借りた本にコーヒーのシミをつけてしまってその本を読んだとしたら、
そのシミが気になって読めないでしょう、それと同じです。
と説明しました。

ようやく
こうしなくてはならない
から
こうした方が良い
に変わりました。


そしてこどものかたわらで作業をするのに適しているといわれるヨーロッパタイプの手前に引く鎌形ナイフが手に合うようになりました。小刀の方が小学生の頃から使っていてなじみがあったのにです。
残す伝統と、生きているからこそ変わる必要のあるもの、時代にあわせるものありますが、ともにその奥にながれるものは同じであると思います。


一昔前までは当たり前に家庭の中の仕事として存在していたこと。
今ではすっかり専門職として、専門家がそれをひとつひとつ細分化して事業として成り立っています。
おうちの日々のご飯でさえ、家庭料理研究家なんていて、ずいぶん毎日の食卓がグルメ化しています。

今、家の中にある物は ある日突然現れます。
人の手を経ず 工場で機械によってできてくる物も多いです。
ブラックボックスのかなでどのように物ができあがっていくのか分かりたくてもわかりません。
炊飯器、洗濯機。家庭の中にすらそれが入り込んでいます。

こどもたちはどうして汚れた物が箱のなかからキレイになってでてくるのか
どうしてお米がご飯になってでてくるのか
まるでブラックボックス
大人ですら自分が使っているエスカレーターやエレベータの仕組み,車の仕組み、ましてや飛行機がどうして飛ぶのかすらよくわかりません。
それは「みえない不安にかこまれている」と言う人がいます。
100年前、こんなにまわりは「はてな」だらけだったでしょうか?

あれこれこどもの世話をしながら、家事をしながらできる程度のこと、
そんな手仕事でできたものを紹介し、
再び家庭の中に置くことができたら。

ものができるまでの 見通しのあるもの、
プロセスの分かるもの達に囲まれること
そんな物が周りに増えて行くことで 心がやすらぎ、健やかなからだが作られるのではないか
とそんな風にこのごろ思うのです

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手仕事品の作成
手仕事品作成のお手伝い
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手仕事品作成に関する講演および勉強会
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